コンピュータ同士が通信するときは、前に説明したように、あくまでも IP ア ドレスで通信相手を認識しています。ドメイン名では直接通信できないので変 換が必要、ということです。
ただし、必ずしもIPアドレスと1対1対応とは限らないです。例として、以 下に nslookup (DNS への問い合わせをするコマンド)の結果を示します。 nslookup は引数としてホスト名を与えるとそのIPアドレスを、引数 としてIPアドレスを与えるとそのアドレスに対応したホスト名を返します。
% nslookup ma.echan.xyz Server: 150.9.18.200 Address: 150.9.18.200#53 Non-authoritative answer: Name: ma.echan.xyz Address: 52.37.234.165 $ nslookup 52.37.234.165 165.234.37.52.in-addr.arpa name = ma.e-chan.jp.上の場合、IP アドレス 52.37.234.165 のマシンはma.e-chan.jp. という名前 でもあるし、ma.echan.xyz という名前でのアクセスもできます。つまり、1 つのIPに2つのホスト名が割り当てられていることになります。
ちなみに、 ….jp. と最後に . (dot) が付いてるのは、このホスト名が FQDN であるということで、 ちゃんと意味があることを知っておいてください。さらにちなみに、IPアドレスからホスト名を調べることを 「逆引き」 と言います。 逆引き はネットワーク毎に登録するのが基本な ので、 逆引き で得られるホスト名が本名(?)と言えるかもしれ ません。
上の場合だと e-chan.jp に所属するマシンだ、ということですが、これはメー ルセキュリティ絡みでわざわざ逆引き設定をしていまして、実態は Amazon EC2 です。
逆の場合として、大量のアクセスが予想されるホストの場合、同じ名前に2つ 以上のマシンを割り当てて負荷分散をはかることがあります。この 分散方 式 にも単純なラウンドロビン(単純に順番に割り振る)やロードバラン スをチェックする(負荷が低いマシンを次に割り振る)方式などいろいろあり ます。さらに近年では状況がかわり、 CDN (Contents Delivery Network) という、ファイルサイズの大きいデジタルコンテンツをネット ワーク経由で配信するために最適化されたネットワークが普及してきていて、 (代表的な企業としては akamai があります)DNS 的には分散され てない(ように見える)ことが多いかもしれません。
ちなみにこの nslookup コマンドは Windows でも標準でインストール されていますが、コマンドベースで動かすようになっているので、 コマンドプロンプトを起動して、その上でI:\>nslookup ma.echan.xyzのように打ち込んでもらえれば利用できます。上の画像は結構前にキャプチャしたので、情報が古い(自宅に物理サーバをた てていたとき)ですが無視してください。ちなみにコマンドプロンプトを終了 するときには exit と打ち込んで下さい。
puffin.hannan-u.ac.jp の場合は、 「hannan-u」=組織名、「ac」=組織の種類(大学、専門学校=学術組織)、 「jp」=日本、という具合で、つまり住所と同じです。
どういうことかというと、例えば;大阪府という枠があって、その中に松原市と
いう枠があって、その中に天美東5 丁目という枠があって、その4番33号、とい
う住所で場所が特定される、ということです。
もし自分が松原のことなら知ってる、というのならば、松原の住所はわかります
し、府内市外のことなら大阪府をしってる人にきく、府外のこと、たとえば奈良
県のことを聞くなら、まず日本全体の都道府県のそれぞれの管轄を知ってる人に
奈良県を知ってる人のことを聞いて、その後でその奈良県に詳しい人に奈良のこ
とを聞く、という辿り方をします。
% nslookup -q=mx echan.xyz Non-authoritative answer: echan.xyz mail exchanger = 10 ma.echan.xyz.
.edu は米国外で取得しているところも少しあります。前田が知っていいる例で は 京都コンピュータ学院 などがあります。
途上国の中には、自国の ccTLD をgTLDのように誰でも取得できるようにして 外貨を稼ごうとしている国もあります。例えば、トンガ王国の to ドメイン、ツバル の tv ドメインがよく知られています。