インターネットことはじめ
(コンピュータネットワーク入門)

Internet とは?

  ⇒ネットワークとネットワークの間をつないだ、ネットワークの集合体

   (The) Internet でいわゆるインターネット(世界規模のコンピュータネット)を表します。

インターネットの起源

アメリカ国防総省・高等研究局(ARPA: Advanced Research Project Agency ) が冷戦時代 の危機管理の一つとして「いくつかの都市が壊滅 しても全体としての通信ネットワークを確保する」ための実験として
...と言われることが多いのですが、 (ARPA の研究資金であることは確かです が)危機管理とは直接の関連はない、という説もあるようです。
アメリカ 国内の4大学 を接続しました。

 ⇒ARPANET := 1969年12月 に誕生、とされています。

日本に関して言うと、 1984 年に東京大学・東京工業大学・慶應義 塾大学をつないだ JUNET (Japan University NETwork) が日本の インターネットの最初とされています。

インターネットの特徴

concept

インターネットの主要組織

時代にそっていろいろ変化をとげていますが、現状は、おおよそ以下のような ものになっています。

ネットワークの物理的接続

ネットワークの論理的接続

ネットワークとプロトコル

そもそもプロトコルとは何か、ということですが、(コンピュータに限らず) 通信をする際の 約束事(通信規約) のことです。

通信のための約束事というのは実はコンピュータネットワークにかぎったこと ではなくって、例えば、人と人がコミュニケーションをとる際にも、音声 (空気の振動) により、日本語という文法 (これも規約と考え ることができる)により通信(?コミュニケーション)が可能となっているる わけです。みんながてんでんばらばらに、フランス語とかアラビア語をしゃべっ たんではコミュニケーションはなりたちません。

別の例でいうと、我々が葉書(封書でも一緒)を出す場合に、ちゃんと約束事 に従ってます、よね。これも勿論通信です。つまり相手の郵便番号をちゃんと 7桁書いて(それも決まった場所=上に!)住所と名前もおおよそ決まった場 所(郵便番号の下)に書いて、切手も決まったところ(左上)にはって、ポス トに入れる、という手順をふむわけです。これも立派なプロトコルです。この 約束を破ると、例えば住所を書かないと何処に届けていいかわからないし、切 手を貼らないと郵便は届けてもらえない、ということです。

くどいようですが、プロトコルすなわち約束事をまもらないと、情報は伝 わらない(伝えようがない) ということをここでしっかりと押えておい てください。

プロトコルの階層

プロトコルといっても決めることは沢山あって、例えばケ−ブル・コネクタの 形状の決まりがないとそもそもお互いに差し込めるようにできないし、あとア プリケ−ションレベルのデ−タフォ−マットも約束事=プロトコル です。もしこういった規格が全て1つの約束事になってたら、ということを仮 に考えてみましょう。そうすると、もしケーブルでつないでたコンピュータを 無線にしようとしたら、無線LANの規格を含むプロトコルに総入れ換えしない といけなくなります。手紙の例で言うと、郵便屋さんが乗ってるのが自転車か バイクか車かによってあて先の書き方を変えなければいけない、という感じで す。これは非常に面倒でかつ無駄なわけです。
もし自転車なら舗道のある道順を指定しないといけないけど畔道を通ることに なっても大丈夫、とか、車なら高速道路のルートを教えてあげないといけない、 といった感じでしょうか?

そこで、ネットワ−クプロトコルを階層的に定義 して整理(モデリ ング)する方法が一般的です。これをネットワークアーキテクチャ といいます。このネットワーク(通信)の階層性を理解することが、以降のネッ トワーク技術の理解の基本となります。ちょっとややこしいかもしれませんが、 是非しっかり学んでください。

手紙の例でいうと、我々は宛て先書いて切手を貼ってポストにいれるところま でで、その先は郵便局がどうやって届けてくれるのか(集配の方法)は考える 必要はない、というわけです。つまり、「手紙を出す」ことと「郵便屋さんが 集配する」ことは階層が違う、ということなのです。次の階層に渡す方法、手 紙の例ではポストにいれるまで、をちゃんとやっておけば、(手紙がちゃんと 届きさえすれば)別の階層がなにをやってるかは(自転車で運ぼうが、トラッ クで運ぼうが)関係ないというわけです。

communication

また、同じ階層でも目的によって必要な規格も異ってきます。例えばもし郵便 が小包しかないとすると、年賀状とかも小包でださないといけないくなって不 便なわけで、目的に応じて葉書とか封書とかいろんなものが用意されてるわけ です。コンピュータネットワークも同様で、email のプロトコル、WWW のプロ トコル、などがあるわけです。

要点として;

ということを押さえておいてください。

OSIの7階層について

ネットワークアーキテクチャの中で標準的なものが、ISO (Internatinal Standardisation Organisation) 1983 年 に示した OSI (Open System Interconnection) の参照モデル です。
このモデルは Internet において実際に実装されているというわけではありま せんが、ネットワークの階層性を理解・説明するのに便利で非常によく利用さ れますので、ここでも述べておきます。

これは7つの階層からできています。

基本参照モデル
上位層
第七層応用層 応用プログラムや端末利用者にデータ通信機能を提供
第六層プレゼンテーション層異機種間のデータの タイプや符号を変換する
第五層セション層 全二重、半二重、優先データ、送信機能、同期、再送機能などを提供
下位層
第四層トランスポー ト層データ転送品質(誤りの検出・回復)を保証
第三層 ネットワーク層通信ルートの確立し、データを中継・転送す る機能を提供
第二層データリンク層高信頼 の透過的なビット伝送を保証
第一層物理層 通信回線を介してビット単位の伝送を提供
物理媒体 電気的な回路、回線、交換機など

それぞれの層の主な機能は、以下の通りです。ちなみに第1〜4層を下位層、 第5〜7層を上位層と呼びます。

ちなみに、インターネットの世界の標準プロトコル TCP/IP に上の7層をむり やり(?)対応付けると、1,2 層目はごっちゃになって(代表として)データ リンクの層として扱うことが多く、 3 層目がIP、4層目がTCP,UDP 、 5〜7層もまた併せて(代表として)アプリケーションの層として考えることが 多いです。データの流れのイメージは下図を参照参照してください。

net layer


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