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OS って何?
パソコンやスマホの話題において、「OS(オーエス)」という言葉を一度は聞
いたことがあるかと思います。しかし、いざ「OSって何?」と聞かれると、き
ちんと答えられる人は少ないのではないかと思います。そこでここでは、OS
について基本的な事項をまとめました。
OSはコンピュータの基本となるソフトウェア
OSとはOperating System(オペレーティング・システム)の略です。日本語に
すると「操作するためのシステム」です。パソコンを例にすると、キーボード
やマウスなどで行った操作を情報として入力し、アプリケーションに伝え、結
果をディスプレーに表示したり音をならす(出力する)、といった役割をもっ
たソフトウェアがOSです。
OSの仕事はコンピュータを管理、制御することです。ユーザーがパソコンやス
マートフォンを簡単に操作出来るようにするためOSは重要な役割をしています。
クリックやキーボードで文字を入力するといった、私たちが普段当たり前に使っ
ているパソコンの基本的な機能をサポートしています。また、OSはスマートフォ
ンなど、パソコン以外のハードウェアにも搭載されています。というより、ス
マートフォンは小さな(通信機能組み込み)コンピュータそのものです。
ちなみに、そもそも論として、電源入れたらどういう風にソフトウェアが
動いていくのか、については
ブート ストラップ - パソコンの起動 by BIOS 等が参考になると思い
ます。
OSの構成
そもそもコンピュータはハードウェアの上にソフトウェアが
のっかって動いている、ということはいろんなところで
教わっているでしょう(下図参照)
しかし、現代のコンピュータシステムは(ごく稀に TD4 のような素朴なコン
ピュータもありますが)このような単純な構成であることはほとんどなく、大
抵は下図のような、ある意味階層的な構成になっています。
人間が実際に使っている(と実感している)のはアプリケーションですが、そ
の陰ではOSが動いています。そして、OSはいろいろなソフトウェアで構成され
ています。
シェル
アプリケーションを使うのではなく、コンピュータ自身を使う(多くの場合は、
サーバマシンの設定・管理でしょうか?)場合、直接OSを操作するわけにはい
かず、OSと人の仲介(インターフェース)するソフトウェアが必要になります。
それを unix 系ではシェルと呼ぶソフトウェアで行ないます。シェルの詳細に
ついては別資料に任せます。
ミドルウェア(サービス)
OSとアプリケーションの間でサービスを提供するソフトウェアがいくつかあり
ます。OSの一部として扱われる場合もありますが近年はミドルウェアと呼ばれ
ることが多いです。データベース管理システムなどに加え、WWWサーバ、MAIL
サーバなどもミドルウェアの扱いになります。
その他の構成要素
カーネル
OSの核となる部分をカーネル (kernel) と呼びます。コンピュータに電気が通
じて(途中の仲介的なソフトウェアの助けを借りて)最初に動きだすソフト
ウェアです。資源管理(後述)などの、まさに核となる部分を担当しています。
デバイスドライバ
標準的なハードウェアはカーネルでサポートしていますが、特殊なハードウェア
はそれぞれに対応したソフトウェアで対応しなくてはなりません。それが
デバイスドライバ(デバドラ)です。Windows で新しいハードウェアを
追加したときに「新しいハードウェアが検出されました」と表示され
裏でごそごそ動いているときは、そのハードウェア用のデバイスドライバ
をあらたにインストールして、動くようにするわけです。
そのソフトウェアはどこにあるかというと、もともと HDD にはあるがOS に
取り込まれていない場合と、HDD にはなく Windows Update に取りにいく場
合があります。本当に特殊なハードウェアの場合はそのベンダーが提供して
いる場合もあります。
OSにはどんな役割があるのか
それでは、OSはいったいどんな機能があるのかを説明していきます。OSがになっ
ている主な機能は以下の通りです。
ハードウェア管理
キーボードやマウス、プリンターなど、パソコンには入出力のための周辺機器
(ハードウェア)がつきものです。ほとんどの場合、特別な操作をすることな
く、パソコンに接続すれば使えるようになっていますが、これもOSがその機能
をもっているからです。
OSがなければ、アプリケーションそれぞれがキーボードをパソコンに接続して
文字を打つといった機能を持たなくてはなりませんが、それでは非効率的で無
駄です。
メモリ管理
パソコンのメモリは机に例えられることがあります。机で作業をするときに、
その机が大きければ大きいほどいろいろな作業を同時並行で行うことができま
す。これがメモリの大きさというものです。
そこで、OSはそんなメモリを管理(整理)する機能があります。いくら机が大
きくても散らかっていては同時にいろいろな作業をすることは難しいで。OSが
その机=メモリを整理して、例えば既に済んだ仕事の関連書類は書棚に戻した
り、頻繁にする必要のある仕事は手元に置いたりすることで、多くの作業を効
率的に並行して行えるようにスペースを管理するわけです
プロセス管理
プロセスとは、仕事や課題のことを指します。場合によってはタスクと呼ばれ
ることもあります。OSはパソコンのプロセスを管理する機能を担っています。
仮にあなたがいま、Googleを使って検索したデータをExcelに貼り付けたいと
しましょう。このときにパソコンがフリーズしたりしないように、OSが検索ブラウ
ザとExcelという2つのプロセスを管理してくれています。
ファイル管理
パソコンなら当たり前と思っている、「保存」や「開く」、「編集」といった
機能を担っているのがOSです。OSがなければ、私たちはファイルをクリック一
つで開くことはできません。
API提供
ここでは、アプリを家に例えてみましょう。家を建てるには、ドアや窓、浴槽
といったものが必要ですよね。しかし、家を建てるときにいちいちドアや窓を
つくっていては、らちがあきません。そこで普通であれば、別の家に使ってい
るものと同じドアや窓を使いますよね。
APIは家でいうところのドアや窓のようなものです。普段使っているLINEやメー
ルなどのアプリで、文字を入力するときにキーボードが下から出てきますよね。
この機能をいちいちアプリごとに作るのではなく「下からキーボードを登場さ
せるAPI」というように、予めOS側でAPIを用意して使えるようになっています。
パソコン用OS
パソコンのOSと言えば、WindowsとmacOSというのが一般的な認識かもしれませ
んが、他にもUnixやUbuntuといったOSも世界中で使われているのです。以下で
は一般的に使われることの多いWindowsとmacOSについて詳しい説明をしていき
ます。
Windows(ウィンドウズ)
マイクロソフトが1985年に開発し、現在は Windows 11 を最新版としており、世
界で最も有名なOSです。その爆発的な普及が起こったのが、1995年に発売され
たWindows 95で、その後もバージョンアップを重ねながら現在に至ります。PC
市場の9割近いシェアを誇っています。
その一方で、独占禁止法に抵触しているという話があがったり、Windows 10
への強制に近いアップグレードの問題があったりと、いろいろな意味で話題は
尽きません。
macOS(マックオーエス)
1984年にアップルが開発したOSで、iMacやMacBookなどのApple製品に搭載され
ています。OS市場でのシェアはWindowsと比べても高くありません。
ただ、先述したiMacやMacBookといったような、洗練されたデザインのハー
ドウェアを熱烈に支持しているファンがいるというのは、Windowsと比べ
ると特徴的であると言えます。前は MacOS でしたが、今はmacOS と頭のM
が小文字になりました。
Linux (リヌクス/リナックス/ライナックス)
(…略、リンク先参照)
スマートフォン向けOS
Android(アンドロイド)
Google社が開発したスマートフォン用のOSです。XperiaやGalaxyといったスマー
トフォンやタブレットに入っていて、パソコンのOSとしてご紹介したLinuxを
ベースに作られているので、カスタマイズ性に優れていることが大きな特徴と
なっています。端末を販売している各メーカーが独自に改良できるOSなので、
同じAndroid端末でもメーカーによって特徴の違う、いろいろな種類が販売さ
れています。
iOS(アイオーエス)
アップル社の開発したモバイル向けのOS。iPhone・iPod touch・iPad・Apple
TVなどに組み込まれています。また、iOS用のアプリはApp Store(アップスト
ア)経由で公開されていて、アップルの厳しい審査を受けたものだけが販売さ
れています。
どのOSを使うかでハードウェアを選ぶこともあり?
通常、パソコンの中に入っているゲームやワープロ・表計算などのアプリケー
ションは、OSごとに別々で開発されています。パソコンで文章を書きたいと思っ
た時に、Windowsであれば「Word」を使いますが、Mac OSになると「Pages」と
いう別のソフトを使うことになるでしょう。そして、Windowsの「Word」が使
いたいときには、Windowsの中で動いている「Word」とは別の、Mac用の「Word」
を使わないと動きません。
つまり、Windowsでは動くがMacでは動かないソフト、そしてその逆もあるとい
う事です。どのOSを使うかによって使えるソフトが違ってくるので、パソコン
やスマートフォンなどを選ぶ際には、OSにも気を配る必要があるかもしれませ
ん。
おわりに
OSについて簡単にまとめました。私たちが普段使っているパソコンやスマート
フォンの基本的な機能を構成するものなので、基礎を押さえてお
かなくてはいけません。
OSについてより深く理解していくと、プログラミングや情報セキュリティに活
きる知識を得ることができるので、興味のある方はさらに勉強してください。
参考書としては
30日でできる! OS自作入門
などが良いかもしれません。
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